勝ち続けることへの執着②

2016年9月14日

こんにちは。チャンピオンアラキングです。 まさかの2週連続です。 今回で終わることが出来るのでしょうか? 先週のブログをまだ読んでない方、ぜひ読んでから 今週のをお読み下さい。 なんのこっちゃわからないと思うので。 http://haimuru.ti-da.net/e8964870.html それではどうぞ~~ ——————————————————————————————- 去年同様、釣竿に神経の全てを集中させます。 えい!えい!えい! 何度も何度も豪雨の中、ルアーを海に投げ込みます。 えい!えい!えーーーーい!!!! しかし、魚は釣れません。 えい!!!えい!!!!えーーーーい!! マダラエソでもいいから釣れてくれ!!!!!!!! えい!えい!!!!!えーーーーーーーい!!! ・・・・・全く釣れません・・・・・・・・・ マダラエソの「ま」の字もありません。 しばらくすると雲が流れ、晴れ間すら見えてきました。 いつの間にか雨が小降りになっています。 そして、太陽の光がうっすらと目の前を閃光のごとく走りました。 目の前の海が太陽の光を浴びた瞬間、輝きだし、ブルー、いやまさに鮮明なブルーが海を彩り始めました。 綺麗だ・・・・・・・ 遠くに投げたはずの仕掛けが全て見れるほどの透明度です。 そのキラキラとした風光明媚に心を奪われかけた瞬間でした。 何気なく投げた、ワーム(えびの形をしたゴムみたいなルアー)をテトラポット付近で 泳がせていたら・ 電光石火のスピードで魚の様な黒い物体がワームに目掛けて突進しました!!!!!!! あっと声を上げたか上げないか位の一瞬の間にワームに喰らいつき テトラポットに戻ろうとしました。 竿は当然ビクっとしなります。 魚が喰らいついたのだ!!!!!! 逃がすか!!!! リールを巻きました! おりゃーーーーーと、巻いていると、 糸とルアーと一緒に勢い良く、海からびよよよよよーーーーん!!!と魚が太陽を背に 上空に舞いあがりました。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ つつつつつつつつつつつつ釣れたーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!! 慌てて防波堤の上にその魚を手繰り寄せて、針を外しました。 やった!!!!やった!!!!!!やったぞ!!!!!!!!!! ずぶ濡れになりながらも釣りを続けて良かった!!!!!! サイズは小さいが、去年のマダラエソに比べたら まるでマグロ です。 勝利の条件が整いました。 ①去年よりデカイ、 ②去年のより重い ③そして豪雨。 3拍子です。 絶対に優勝です。 まがいなりにも僕の人生でこの魚より、デカイ魚なんて沢山釣ってます。 しかし、今回ほど嬉しいことはありません。 なんせ、2連覇がかかっているのですから。 釣れたことを祝福するように、また雨が降ってきました。 時計を見ると制限時間まであと20分位ありました。 何気なくワームをなげると・・・・・・ 魚がどひゃーーーーと走ってワームに食いつきます。 また釣れました!!!!!2匹目です。 これで数量部門もゲットです!!!!!! 正直、チャンピオンとしての重みで気が潰されてしまいそうでしたがこれで 開放されそうです。 さて、戻ろうか・・・・・ うーーーーん。 さっきから気がついてはいたのですが敢えて無視していた 問題に案の定ぶつかりました。 ・・・・・・・・・この魚、どうやって持っていこう・・・・・・・・・・・・・・ 一応書きますが、クーラーボックスには携帯電話と着替えが入ってしまっています。 その上から魚を無理やり突っ込むという選択肢も 無くは無いです。 しかし、着替えはまだしも、iphoneと魚は何となく 相性が悪そうです。 取り合えず、このままもがきながら苦しんで死んでしまうのも可愛そうなのと 、なにより生きていては手で持ちづらいと思ったので、 2匹ともウロコとお腹を出してしまうことにしまいました。 しかし、刃物がありません。 あるわけねーよな、なんて呟き防波堤をぐるりと見渡しますが あるわけありません。 こうなったらアラキング家秘伝奥義、3巻にある奥義を使うしかありません。 素手で魚をさばくべし。 雨が降る中、おじさん一人が防波堤の上で素手で、ザシュッザシュッと魚を2匹さばいているのもなかなか シュールな絵でしたが、気にしません。 中身を海に投げ捨てました。 ・・・・・・ふぅ・・・・・・・・終わった。 よし、軽くなった、持ちやすくなったぞ・・・・・・・・ と魚をひょいと持ち上げた時にあることに気がつきました。 軽くなった?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・軽く????? ・・・・・・・あ・・・・・・魚・・・・・・軽くしちゃった・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・「重さ部門」もあるんだった・・・・・・・・  ぼうぜんと海を眺めると揺ら揺らと世界一美しい海にピンクの中身が揺れています。 あれを取りに行っても構いませんが、 再び、魚に戻すのかと思うと人として大事な物を失う気がしたのと 何より魚自信がそれを求めていない気がしたので 諦めました。 そして、右手に竿、左手にクーラーボックス、そして 右指の2本で魚を2匹 という出で立ちで本部まで歩いて帰ることにしました。 すれ違う人が、声をかけてきます。 「釣れました~?」 「はい、これです!」 と2匹を持ち上げて見せるのですが 彼らの心の中の冷静なツッコミが響いてきます。 クーラーボックスを何故使わないのか? それは、着替えが入っているかなのですが、皆に分かるわけありません。 「着替えが入ってるから使えないんです。」 と先手を打っても良いですが聞かれても無いのに答えるのは それもまたお節介な気がします。 よくよく考えてみたら、釣れた喜びで我を忘れていましたが素手で 魚を持っている状況が結構恥ずかしい気がしてきました。 ・・・・・・・・ビニールでも探すか・・・・・・・ 普段は、島にゴミなど落ちていると ゴミを捨てた人に憤慨し、この国の未来を憂えたりするのですが 今日は 「ゴミ落ちててくれ、頼む」 なんて呟いているので人生ってわかりません。 しかし、こんな時に限ってビニールは落ちていません。 なぜこんなに綺麗な国に生まれてしまったのか嘆きます。 しかたが無いので決意して、そのまま素手で魚を持ち本部に戻ります。 ぱっと思い出して、港を見たら、当然のごとくライバルであろう 小学生達の姿は跡形もありません。 ニヤッとしました。 勝ちを確信した瞬間でした。 本部に着きました。 去年はここで、クーラーボックスを開けて、マダラエソを持っていかれたんだったなぁ と思いながら今年は2匹も提出しました。 去年とは違って、机の上に計りがありました。 「釣れました?」 「これです」 「じゃあ、この計りに乗っけて」 と言われたので、1匹づつ乗せようとしたら 「2匹まとめてでいいよ!!!!」 などと言われます。 2匹まとめて?? いや、こいつらにも1匹づつのアイデンティティがあって それを2匹まとめてってどういうことだ? なんて思いますが、言われたとおり、2匹をはかりにのせます。 「何グラム?」 って聞かれたので 計りの指すとおりに 「500グラムです」 なんて答えました。 しかし魚をどかすと驚くことに計りの針が ほとんど戻りません。 逆に計り切れないサイズなようです。計りの500グラムより先の空白がとても遠い存在に思えます。 500グラムと嘘をついてしまいました。実際は400グラムは発泡スチロール分でしょう。 じゃあ、あっち持って行って~ なんていわれた先に魚を持っていくと そこには色とりどりの魚が大量に大漁していました。 船釣り部門の方が、エンジン付きの船で、漁場に行き 釣ったというか釣らせてもらった魚が沢山並んでます。 自力で釣った僕は誇らしい気持ちで一杯です。 2匹を差し出すと、 「え~?これだけ~?ハハハハ~」 なんて調理していたおばさん、が笑います。 悔しくともなんともありません。 ハハハハ~なんて笑い返してやります。 去年よりデカくて、数も多い僕が断然有利なこと、 そして、僕が2連覇間際なことに気がついていないのです。 意気揚々としたまま、友人と合流して本日の宿を目指します。 そこで、宿の人が、 「釣れたか~?」 なんて聞いてきます。 「2匹だけ釣れました~」 なんて答えると 「2匹だけ~?ハハハハ~来なきゃ良かったのにね笑」 なんてブラックジョークまで飛びます。 しかし、悔しくともなんともありません。 昨年のことを覚えてないのかな?笑ってられるのも今のうちです。 そして風呂に入って、汗と雨でグチャグチャな体を清めます。 フンフンフン♪なんて歌いながらシャワーを浴びました。 お風呂場は横長で、シャワーが沢山ついてます。 きっとここで様々な人が様々な思いを胸にシャワーを浴びたのだなぁなんて どうでも良いことを思いながら、シャンプーを探しました。 シャンプーは沢山あって名前が書いてあるのも沢山あります。 恐らく、宿の人やそのご子息も同じシャワー場所を使うのでしょう。 なので、今回は名前が書いてないシャンプーが僕が使って良いシャンプーになるはずです。 「ゆたか」「さつき」「けんたろう」 うーーん、名前が書いてないシャンプーはどれだ・・・・・・・・ あっ!あったあった。なんと右端の方にありました。 歩いてそれをつかみ元の場所に戻ります。 シャンプーのポンプを押そう思って、そのシャンプーを持ち上げたら 裏にしっかり文字が書いてありました。 あーーあ、文字入りか・・・・戻そうっと・・・・と思いながらも 文字を読んでみるとその文字に35歳、驚きと疑問で頭が一杯になりました。 その文字とはこれだ・・・・ ↓ ↓ ↓ ↓ 「水虫用」 いやぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!! 絶対に使ってはいけない奴です。 「ゆたか」のを使っても「さつき」のを使っても「けんたろう」のを使っても 髪の毛はサラサラになるでしょう。 でも「水虫」だけは絶対に駄目です。 髪の毛がどうなるか、想像も出来ません はぁはぁ言いながらそのシャンプーを戻そうとします。 しかし、ここで、ある思いが頭をよぎります。 「もしや・・・・・誰かが、誰にも使って欲しくないから敢えて、水虫と書いてこのシャンプーを使わせないようにしているのではないか・・・・?だとしたら、ひょっとしたらこのシャンプーは大正解なのではないか??・・・・・・・・使ってみるか・・・・・・?????」 笑いの神、いや、笑いの髪が、 「使っちゃえよ」とささやいてきます。 いや、やっぱり止めよう。仮にそうだとしても、僕がそのシャンプーを使って獲得した サラサラは、ひょっとしたら 本当に水虫用の液体で得たサラサラだという可能性は拭えないのだから。 だからやめました。 (これは完全に写真とっとくべきでしたね。今度行ったら必ず撮ってきます。) そして名無しのシャンプーをようやく探し当て、体も洗い、タオルで 体を拭いていざパンツを履こうと思ったら、再び事件がおきました。 パンツがありません。 あれ?忘れてきちゃったかな? ま、でもいいか。このほうが涼しいかもしれんしな・・・・・・ とのん気に、 そのままズボンを履きました。 そして、ツカツカと自分の部屋に戻りました。 部屋の前の外では友人二人が、同じ宿に泊まっている人と早速 ミニ宴会を始めています。 持参したビールがキンキンに冷えているのでした。 僕も会に参加しようと座ったら 「アラキング、今ノーパンでしょ?笑」 なんて聞いてきます。 そうか、途中で落としたんだな、と瞬時に思いました。 「なんでわかる?」 なんて一応聞いたら、友人がニヤッと指差します。 指差されたところを見たら僕のパンツが物干し竿にかけられて 見世物になっていました。 いたずらされてしまいまいたが、怒りは湧いてくるはずもなく、 ただただ、のどかにパンツが揺れています。 ヒラヒラと風に揺れるパンツ。 ゆらゆらゆらゆら。 ん? 何かに似ています。 何に似ているんだ・・・・ あっ・・・・・・・ そうだ・・・・・・ 国旗だ・・・・・・・・・ リオで金メダリストが誇らしげに眺めていた日の丸だだ・・・・・・ そうか・・・・・俺もある意味、金メダリストなのだ・・・・・と 自分のパンツを眺めながら思いました。 でもさすがに国歌を歌うのは止めました。 そして、ズボンを脱ぐのも億劫だったのでそのまま過ごすことにしました。 しばらくビールを飲みながら、ゆんたく(おしゃべり)をしていると釣りの結果発表がある宴の時間が近づいたので広場に向かいました。 料理はグルクンの唐揚げや刺身があって最高でした。 既婚者子持ちの男三人が、家族を島に置いてきて、 旅行で、開放感たっぷりという感じの話題や笑いが僕達の間に 充満してとても幸せな時間でした。 いよいよ結果発表です。 緊張してきます。 まずは船釣り部門です。そしてカヌー部門と発表され、いよいよ僕や小学生がエントリーしている 磯釣り部門です。 「優勝者から発表します!!!!」 第2部完 まさかの3週ぶち抜きになりそうです。皆さんすみません。