2017年10月11日
こんにちは。ビッグ、アラキングです!!
最近、といっても一年程前から「山下峰冬」さんという写真家の方のポストカードやカレンダーをホテルショップで販売し始めました。
山下さんの写真は、写真素人の私がおこがましく表現させていただくとすれば一言
「すがすがしい」に尽きると思います。
様々な八重山の風景や音や風さえ切りとり写真にしております。
そんな彼とは実は個人的に少しだけ仲良くさせてもらっていて、会えば無駄話もし、
先日は何と西表から新城島までカヤックで漕ぐ!とうことを一緒にやらせてもらいました。
便利とか早くとか一切無視した、不自由と超遅い方法、カヤックでわざわざ行くという
なんとも言えない、最高な企画です。
総勢8名でのアイランドトリップツアー。
僕は、釣り竿と好きな飲み物をたっぷり積んで旅の始まり!
カヤックの一番の魅力は何といっても、海面とほぼ目線が同じで海を進んでいる所でしょう。
海が目線と非常に近いので、人間はいつでも自然の一部ということを思い出させてくれました。
山下さんのことをチラッと見ましたが、カヤック上から写真をたくさん撮っていたようで
ご満悦でした。
彼の眼にはこの風景・光の加減など様々なものが映っているはずです。それは同じ風景だけどきっと僕とは違うなにかが。
結構遠かったですが、二人乗りの相方と(山下さんではない)アラキング恋愛10連発トークなどをしていたら意外と2時間弱で着くことが出来ました。
新城島ではその疲れを癒すように、炭酸飲料をぐい飲み。体がポップにはじけるように
炭酸飲料が染み渡ります。しかし、見渡す限りの青・緑・・・・
月並みですが、綺麗です。自力で渡って来たのだというスペシャルな感じが
その風景に色を付けくわえるようです。お金では買えない贅沢な色。
時間が少し出来たので、カヤックで釣りに出かけました。
この時は1人乗りのカヤックで釣りをしたのですが、自分が思っているより
船のバランスをとるのが難しいです。魚が釣れれば魚の引きで船が引っ張られてしまうのです。
根かかりしました。
あああ・・・・・カヤック釣りで根がかりをするとこんなにめんどくさいんですかね。
だって、自分で、最高だというポイントまで手で漕いで行っておりゃっとルアー投げて
根にかかったら、そこまで糸を巻きながら根まで行かなきゃいけなんですもんね。
根がかりして手で漕いでポイントまで行って、また根にかかって、また手で漕いでポイントまで戻って・・・・ってことを繰り返していたら、そこが世界で有数の綺麗な海ということを忘れて、イライラしてきました。
根がかりが嫌なら海に浮くルアーに変えろよ!!
持ってたら苦労しねーよ!!!
なんて独り言をいいながらイライラが増してきます。
そして運命の瞬間がやってきました・・・・・・・
おりゃーーーーーっと本気で投げたルアーがまたしても根がかり・・・・・・
おいおい、俺は魚を釣りに来たんだよ、なめんじゃねー。
なんて思いながら竿をぐいぐいやってポイントまで近づきます。真下にあるはずのルアーが全然取れません。
フン!フン!フン!!!
と竿をぐいぐいしていたら世界で一番聞きたくない音を聞いてしまったのです。
ボキッ!!!!!!!!
OH MY GOD!!!
なんと竿が折れてしまったのです。
その竿はおととし車のドアに挟み不注意で折ってしまって新調したものだったのです。
一度折ってからというもの、自分の娘より大事に扱ってきたんじゃないかという自負があるほど、気を使い丁寧に丁寧に扱ってきたものでした。
それが・・・・・根本からぽっきり折れてしまいました。
戦意喪失した僕は、仲間を置いて新城島まで戻りました。
何もやる気になりません。
さっきまで輝いていた太陽はじりじりと
炎地獄の暑さ
に変わり輝いていた仲間の笑顔も
僕を
あざ笑う悪魔の笑顔
のように見え、透明の海すら僕の竿を奪った
魔界の水、
青い空、白い雲
は僕の恥を皆にさらけ出す
邪悪な魔法に見えました。
僕に必要なのは今この怒りと悔しさと情けなさを隠してくれる黒い闇でした。
そう、黒い闇だけが僕を救ってくれるのです。
黒い闇だけが・・・・・
イケナイことまで考え始めたとき、折れた竿先をぼーっと眺めていたら
ふと竿が語り掛けてきたように感じました。
「元気出せよ」
お前らしくねーよ
顔上げろよ
相棒、俺との楽しい思い出だけ思い出せよ」
そうか・・・・・・
そうだよね・・・・・
「竿男(さおお)ごめんな。
俺、前向くよ。お前との楽しい思い出を胸に生きることにしたよ。」
そう、竿男は死してなお、僕を励ましてくれたのです。
前を向くと決めた僕は竿男の供養をしてやることにしました。
これで成仏してほしい物です。
話は変わりますが、一緒に行ったカメラマンの山下峰冬さんはプロの写真家として
着実なキャリアを積んでおり今回のツアーで撮った写真もどれかが雑誌に使われるようです。
そんな彼が今回の旅で撮った写真はまだ見せてもらってないのですが1枚だけいただけたものがあります。
これです。
↓
↓
なんとプロの方に折れた竿を供養している写真を撮ってもらえました。
墓標に見えるのは竿先です・・・・こんな贅沢あるのでしょうか?
転がっていた島バナナも添えて竿男もさぞかし喜んでいることでしょう。
しかし裏話をすると山下さんにこの写真を撮ってほしいとお願いしたところ
最初に僕が建てた墓標を壊してまで場所変更をし、さらに波待ちをする
という徹底っぷり。さすがプロ。
美しい風景が悲しさと寂しさをさらに引き出すという、最高の写真になりました。
あと視点を変えてこの写真を見ると折れた竿が本物の墓標に見え、アラキングが
超巨人
に見えるというおまけつき!!
その視点でご覧下さい!
まるで自分の巨大さを制御出来ず、
誤って踏み潰してしまった人を供養している
ようで笑えます。
新城まで自力で行けて、竿は失いましたが仲間の大切さや、自然の美しさを改めて自身に内包できました。
息子にも自慢出来ると思います。
プロのカメラマンにも写真を撮ってもらえて感無量です。
山下さんともっと仲良くなれたら2019年のカレンダーの9月の写真はこれにしてもらおうと思います。
皆さんお楽しみ!!!!!!
最後にきれいな写真でお別れしたいと思います。
皆さんごきげんよう。