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ぬちぐすいコラム Nuchigusui Column

  • 遠藤 司 氏
  • 伏木 暢顕 氏
  • 北島 清隆 氏
遠藤 司 氏
遠藤 司 氏

1975年 東京生まれ 醸造料理人であり、日本の発酵食文化伝承人。
発酵教室(http://kamose.co.jp/) の講師としても活躍し現在の『発酵食』『麹』人気の立役者の一人。 イタリアン、和食など料理の道を極めること20年、食材を全く別のものにかえてしまう、不思議な麹の力に惚れ込み、 独学で麹について学ぶ。
知識が豊富なうえ、面白くてわかりやすい解説が人気で、テレビや雑誌などメディアにも度々登場。 各地での講演会などでも活躍。主に「発酵王子」として親しまれている。
最近では、飲食店のメニュー開発のエキスパートとしてフードコンサルティングも手がける。 また、執筆活動にも力を注いでおり、これまでの著書は5冊を数え、累計15万部超。 現在も部数を伸ばしている。さらに年内も著書数冊を発売予定。


はいむるぶし厨房内で指導する伏木暢顕氏と発酵食料理

 「はいむるぶし」という名称を最初耳にしたとき、何語かさっぱりわかりませんでした。というのも、僕はこれまでの人生の中で「沖縄」とのご縁が全くなかったからです。 仕事で沖縄に絡んだこともなく、友人や知人でも沖縄出身の方はおらず、「沖縄」に行ったこともありませんでした。ですから今回は沖縄食材を知ることと、発酵とは切っても切れない「気候」と「風土」を知ることから始まりました。

 さらに発酵物でのリトリートメニュー考案というまたまた興味深いお仕事。僕にとっては新たな二つのチャレンジを同時にこなすこととなりました。 まずびっくりしたのは本土とは全く異なる野菜達!そして魚介類!

 それらを知るべく、まずはホテルの敷地内の畑へ。驚いたのは生命力に溢れた葉の厚み。全ての種類の唐辛子が例外なく辛い。ハーブの強い香り。等々・・・なるほど。気候に合った植物なのだなと思いました。と同時に今までの自分の「発酵」の仕方では通用しないのでは?という不安も生まれました。
 次に水を知るべく、海へ。「幻の島」に圧倒され、人生初の釣りをしましたね。面白いように釣れる魚は見たことのない魚ばかり。とれたてのもずくを食べたり、釣れたての魚をさばいて刺身にしたり、刺身は食べてみるとかなり淡白で、これは麹との相性がいいなと思いました。

 中でも印象深かったのは「うまづら」です。 東京でうまづらといったら、肝と一緒に刺身で食らう。最高に美味しい魚ですが、沖縄のうまづらは食さないらしいです。海を荒らすと現地の方がおっしゃっていました。 海の中の文化も違うんだなぁ。と思いましたね。
 さて、沖縄の食材と触れて、沖縄の方と触れて、沖縄の気候と触れて、微生物の出番。 「発酵」です。 「はいむるぶし」は「ぬちぐすい」(命の薬)をテーマにしています。地産地消にこだわり、心のぬちぐすい。身体のぬちぐすい・・・・ ですから今回のリトリートキャンプも、心のケアと身体のケアでなくてはいけないのです。

 そのための発酵食。腸内環境です。 現代では、グリーンスムージーや玄米、熱を加えた野菜、生のまま食す野菜、雑穀、 酵素食、脱乳製品、植物性油や植物性タンパク質・・・等々。単発的な健康食のお話はたくさんあります。しかしどれも単発的で制限つきの食事。これら全てを満たしつつ日本人に馴染みのあるもの。それが発酵食です。何千年もこれを食している日本人にとっては「美味しい」と感じられ、尚且つ微生物たちの恩恵を受けられる。 発酵のメカニズムや、麹・植物性乳酸菌・酵母・納豆菌・酪酸菌などについては、これから一年間かけてお話していきますね。

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今回の『発酵食』の主役は『麹』です。
『発酵』と大きな枠でとらえられてしまいますと、非常にあやふやになってしまします。 『麹』が絡んでいる発酵物のことを、『醸造物』と呼びます。では、この『麹』とはいったいなんなのか? 『麹』というのは、 人類にとって有用な微生物のなかで、 最も分解能力に優れたカビ。。です。
麹は約100以上の酵素を持っています。 この酵素を使って分解ということを行います 。
この酵素という分子は、人間の体のなかにはなくてはならないもの。世界一酵素の入っている食品。それが『醸造物』  つまり『麹』です。









この酵素は非常に熱に弱いのです。 ですから、市販されている味噌や醤油、甘酒や殆どの日本酒には酵素が存在しません。 生醤油にも存在しません。 今回の『ぬちぐすい発酵食』はここに最もこだわりました。熱を加えてしまえば、酵素も微生物もみんな活動を失ってしまいます。 ですから、熱を加えずに酵素と微生物、そして補酵素が有効的に摂取できるお食事です。

そしてこの『麹』が分解することで、様々な変化が見られます。 まずは、本来自分の力で分解しなければいけない『でんぷん』や『タンパク質』や『脂質』これを発酵熟成している間に分解してくれています。それだけでも、相当身体への負担は軽減できます。 そして、『でんぷん』を分解して、『ぶどう糖』を生成する。このぶどう糖は日本人にとって自然な甘みと認識されます。そして体内に入るとすぐに赤血球とくっつき、体中に運ばれます。今回のお料理もこの『ぶどう糖』による甘味がベースとなっております。 そして、『タンパク質』を分解して、『アミノ酸』を生成する。この中に『旨味』が含まれてきます。麹が日本人に旨味を教えてくれました。旨味に関しては、長い長いエピソードがありますが、またどこかの機会に。。。

麹が人間の体の負担を軽減するもの。 自然な甘みを生成。 旨味を生成。 これには人間は本来待つ必要があります。 人間が待つことにより、麹の本来の目的である胞子を飛ばすという行為は成されます。 これが、日本人と麹が共生してきた仕組みです。戦前までのです。戦後人間が一方的にこれを無視しているということです。 和食の基礎となる『麹』 彼らが作り出すものは、たくさんあります。 日本酒・味噌・醤油・酢・味醂・焼酎・ 泡盛・甘酒・べったら漬・馴れ寿司・ 豆腐よう・鰹節(枯節)などなど 麹はブームでもなんでもないのです。

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暑いですね。暑い時はやはり酸味のあるものが食べたくなります。
微生物の中で酸を生成する菌と言ったら、 『乳酸菌』と『酢酸菌』です。 今回は『乳酸菌』についてお話ししたいと思います。

『乳酸菌』と言いましても、いろいろです。 ホモ乳酸菌なのか、ヘテロ乳酸菌なのか。 球菌なのか、桿菌(かんきん)なのか。 植物性なのか、動物性なのか。
結果だけで判断される乳酸菌というのは様々です。向き不向きがあるということです。 では、日本人にとって向いている乳酸菌とは・・・・『植物性乳酸菌』です。

日本人は酪農民族ではありません。農耕民族です。ですから昔から慣れ親しんできた『植物性乳酸菌』と相性が良いと言えます。
では、どうやって動物性なのか、植物性なのかを見分けるか?です。 乳酸菌というのは、『糖』を『酸』に変える細菌。では、なんの糖をエサにしているのか?で見分けられます。

哺乳類の母乳『ミルク』に入っている『乳糖』のみをエサとする乳酸菌を動物性乳酸菌と呼びます。 『乳糖』以外の糖をエサとする乳酸菌を植物性乳酸菌と呼びます。
乳酸菌は酸を生成し、環境のPH値を下げ、腐敗菌が入ってこられない環境を作ってくれます。腐敗菌というのは『酸』が苦手ですから、腐敗菌が入ってこられない。ということは腐敗しない。ということです。
発酵物が『保存性が高い』といわれる所以は、この乳酸発酵による作用が多いです。

これが人間の体内でも同じことが起こります。 乳酸菌自体が体内でなにか修復作業を行ったりはしません。
体内に入ると、この強酸で腸や様々な器官にバリアをはってくれ、悪い菌が入ってこられないようにガードしてくれます。 お母さんのお腹の中の胎児も、乳酸菌により守られております。



今回の『リトリート食』や『ぬちぐすい発酵食』には、もちろんたくさんの植物性乳酸菌が生息しております。

人間は歴史上、未だ微生物に勝ったことはございません。ですから殺菌・除菌はその場しのぎのことでしかないです。

微生物に負けない体は、より強い微生物に守ってもらう。これしかありません。 これもひとつの『ぬちぐすい』です。

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最近話題となっております、『酵素食』。 じゃあそもそも酵素って何なの?

酵素というのは生き物ではありません。 アミノ酸の集合体・・・分子です。でもただの分子ではございません。化学反応を一つだけ起こすことができる分子・・・触媒です。 簡単に言ってしまえば、化学反応を一つだけ起こすことができる『タンパク質』です。 ですから、生きているとか死んでいるというような表現は適切ではありません。

この酵素の体内での働きはとても重要。
  ・心臓を動かす。
  ・食べた物を消化分解する。
  ・代謝を行う。
  ・息をする。
  ・排泄をする。
  ・病気を治す。 等々・・・

まだまだ5000~8000の酵素が体内に存在し、様々な働きを行っています。 ですから、体内の酵素がなくなる=死。を意味します。 この辺の詳しいお話はこの短い文章ではお伝えできませんので省略させていただきます。

要は現代人は酵素不足だから、酵素を取りましょう・・・ということです。 ではどんな食物に『酵素』はいるのでしょうか? 酵素というのは熱に非常に弱いため、生の食材にしかありません。若しくは『発酵物』。

では生の野菜や魚介類、肉にどれくらいの酵素が含まれているかといいますと、非常に微量です。 では発酵物にどれくらい酵素が含まれているかといいますと、関わってくる微生物によります。 微生物が酵素を使って分解を行いますので、関わってくる微生物の種類によって、酵素の量が大きく変わってきます。



日本が誇る『麹』は100以上の酵素を保有します。こんな菌は人間にとって有用な菌の中でも稀です。
ですから『酵素を多く含む微生物』は『麹』が絡んでいるものを指します。酵素という見解では『ヨーグルト』や『キムチ』は足元にも及びません。
ですから、酵素を多く含むのは『発酵物』ではなく、『醸造物』ということになります。 しかしこの醸造物の酵素も熱を加えれば、活動を失います。生でなければ意味がないのです。はいむるぶしスタッフの方達が造り、育てた醸造物は生のまま。市販ではなかなか売っていない生の醸造物。
因みに麹の次に酵素を保有するのは納豆菌です。
これが究極の『酵素食』
これが『ぬちぐすい』です。

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今回は『酵母』についてお話したいと思います。
酵母とは人類にとって馴染みの深い微生物の一つです。日本人にとっては『麹』も数えられますが、世界的にはこの『酵母』が人類との最も歴史のある微生物となります。

やはり出芽酵母が一般的です。 自分の体からポコッと出芽し、育て、自分と同じ大きさになったら分裂し巣立っていく。

酵母の働きは『糖を代謝する』ことです。 麴や乳酸菌は自己防衛能力がありますが、 酵母は自分を守る術を持っていません。
持っている酵素の種類も少ない。
熱には滅法弱く、繁殖温度は20度~38度です。40度を超えるとビタッと活動をしなくなり、60度で死滅。
でも『酵母』にしかできない超能力をもっているのです。 それは、『アルコール発酵』と『ビタミン合成』です。
嫌気性(酸素が無い状態)であれば、アルコール発酵。
好気性(酸素がある状態)であれば、ビタミン合成を行います。
アルコール発酵であれば、エタノールと二酸化炭素をはき出し、ビタミン合成であれば、ビタミン・アミノ酸・脂肪酸などを合成いたします。

アルコール発酵時の『エタノール』が醤油や味噌など醸造物の香りとなります。 糖度が低ければアルコール度数が低くなり、糖度が高ければアルコール度数が高くなる。 蔵人の方達は糖度でアルコール度数をコントロールするわけです。薬で操作しなければ・・・です。



この酵母は強酸にも塩にも耐性を持ってます。 ですから、植物性乳酸菌がPH を下げて強酸にした液体の中でも繁殖することができます。

この酵母の特性を活かし、アルコール度数を上げずに、果物の果糖をエサに二酸化炭素(ガス)だけを発生させたものが、今回のはいむるぶし『ぬちぐすい』の発酵飲料として登場しております。

開けるとシャンパンのようにガスが噴き出す 。植物性乳酸菌や酵母たっぷりの果実微炭酸飲料となっております。
砂糖などは一切投与せず、果物の果糖のみを頼りに作っておりますので、果物によりガスの発生具合が異なります。

それも楽しみながら、微生物達の仕事途中のこのドリンクを堪能していただけたら幸いでございます。
人工的ではない『活きた』ドリンク。
これが『酵母ジュース』です。

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10月15日~19日まで小浜島にお邪魔いたしました。
今回の『はいむるぶし』訪問は、畑の土壌菌を変えるのとお料理の再確認が目的。

土壌菌を如何にして変えたかは、企業秘密ですが、ビックリしたのは、キッチンのスタッフが手伝ってくれたこと。自主的にです。
1日目よりも2日目の方が多かった。 農園の方達とキッチンスタッフが 協力して食材を作ろうとしている。 まさに発酵です。
若い世代の双方のスタッフが 一緒に作ろうとしている。素晴らしい。

そしてキッチンスタッフも発酵に興味を 本気で持ち始めた人達が増え、夜な夜な僕の部屋で質問攻め。
そこに、ホールスタッフが加わり、 ヨガスタッフが加わり、 リトリートをどうしていくか? どうすれば良くなるか?  なんて話。
これは発酵です。
様々な人種が混ざった、 日本独特の並行複発酵です。
もう単発の単発酵ではない。
完全に僕のものとは違う
沖縄 小浜島
はいむるぶし発酵の完成です。
今回は毎日いろんな方と お食事させていただく機会をいただきました。



でも、発酵朝食を食べて 本当に度肝を抜かれました。 本当にどうにもこうにも美味しかった! 仕方がないから作っている。 という感じも全く無く、丁寧な愛情や、心遣い。味のバリエ。沖縄食材との融合。
そして、これは僕には考え付きもしない料理。 やはりプロが本気になるとこうなるのです。 職人が作ればこうなる!というスタイルを充分過ぎるほど示していただきました。 本当に嬉しかった。

はいむるぶし独特の発酵料理は完成しました。
まだまだ良くなると思います。
僕はお話をさせていただいただけであって、 作り上げたのは現地のスタッフの方々です。

料理長のポトフも驚きの美味しさだったし 板長の烏賊醬も疑うほどに美味しかった。 どれも僕には絶対に作れない逸品です。
畑がどうなっていくかは気になるけれど、農園スタッフの方達もとても気持ち良い人達でした。

地産地消の『ぬちぐすい』。 はいむるぶしスタッフが発酵することによって、もっともっと良くなるでしょう。 新たなジャンル。 『沖縄発酵』をはいむるぶしの方々が確立し、発展していただけたら、何よりです。

私のような若輩者の話に耳を傾けていただいた、はいむるぶしの人生の先輩方。 チャレンジする気持ちを持ってくれた 若手の皆様。
本当にありがとうございました。
これは感動です。

沖縄食材を発酵させるのは難しい。 と明言していた私。
その壁をぶち破ったのは 『はいむるぶし』です。

まだまだ新たなドリンクやスイーツが出てくることでしょう。

誰かが火入れをしなければ、 この発酵は止まらない。

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今回は『納豆菌』についてお話します。
納豆菌とは、枯草菌で正式名称は Bacillus subtilis var. nattou (バチルス・サブチリス・バリエタス・ナットウ)という細菌です。 枯草菌とは枯れた草に生息する菌種を指します。納豆菌は枯れた稲わらに生息しています。

繁殖力が物凄く強く、熱に滅法強い。 塩や強酸には耐えられず、糖を好む。 基本的には、好気性(酸素がある状態)でないと繁殖できない。 と、ざっくり特徴を言うとこんな感じです。

納豆菌は腸まで届きます。 腸まで届くと約1週間滞在し、腸内細菌として働いてくれますが、いいことばかりでもないです。

まず、納豆そのものが消化にはあまり良くないということ。
1日の摂取量は1パックまでにしないと、毒であるということ。
これはあまり語られませんね。

まず、消化にあまり良くない。
これは、自然界で一番防御力が高いのは、穀物と豆類です。特に皮付きのもの。 これらを分解するには、熱を加えてから人間の分解能力程度ではどうにもできません。 自然界で分解能力のあるものといったら、『熱』と『塩』と『微生物』です。
これらをフルに使っても分解するのに、1年~2年かかります。 それくらい防御能力が高いのです。 故に、消化に悪いということです。

そして、1日1パックの理由は、 繁殖力が強い納豆菌を一篇に投与してしまうと、悪い菌も制圧してくれますが、良い菌も制圧してしまう恐れがあるのです。



そして、腸まで届いた納豆菌が適正量であれば、タンパク質をアミノ酸に分解してくれますが、納豆菌が多すぎると、そのアミノ酸を更に分解してしまい、神経毒であるアンモニア等を生成してしまう恐れがあるのです。

女性ホルモンであるエストロゲンの代わりともなるイソフラボンアグリコンの量も、1パック分で成人女性が必要とする1日分(70~75mg)が摂取できてしまいます。
イソフラボンの摂りすぎも良くないと言われている現代では、納豆の適正量は1日1パックまでなのです。

ちなみに、ひきわり納豆は水溶性の栄養素が逃げてしまっているため、通常の納豆よりも遥かに栄養素の量は少なくなります。

みなさま納豆の食べ過ぎにはご注意を。

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あけましておめでとうございます。
お正月いかがお過ごしでしょうか?

お正月も落ち着いてくると、疲れた内臓を癒すために『七草粥』を食すのが日本の風習です。
なぜ?七草粥を食すのか?
それは、お正月で暴飲暴食した内臓を休ませるために、消化の良いお粥を食すわけです。

では、そもそも『消化が良い』ってなんでしょうか?
消化が良い食べ物というのは、柔らかければ、液状になっていれば、というイメージが強いかもしれませんが、そうではありません。 消化が良い食べ物というのは、自分の消化酵素を使わなくてもいい位、分解されているもの。ということです。
決して、豆乳やお豆腐のことではないということです。
『分解』というのは、先月も言いましたが、自然界では『熱』『塩』『微生物』です。
一番手っ取り早いのは、『熱』です。
ですから『熱』による分解で、お米を糊化し、お粥にしていくわけです。
でも『微生物』による分解の方が、高い!
『日本の麹』であれば、の話です。
お粥も甘酒も、原料はお米と水のみ。
でもお粥は甘くないけど、甘酒は甘い。
これはでんぷんが分解され、より細かい分子になっているため、このブドウ糖の『甘味』を認識できるわけです。
では、最初から分解酵素の入っている、発酵食(特に麹が絡んでいるもの)を食しながらのおせち料理だったら? となります。

さらに、おせちに求められるのは、保存性。
ではでは、この『保存性』は何でうまれるかと言いますと、『乾燥』『塩』『酸性』『低い温度』『油』です。 日本のおせちは『塩』と『低い温度』の要素が強いです。
これを『酸性』に変えると。。。

そうです。以前にもお話しました。植物性乳酸菌です。麹が絡んでいれば、植物性乳酸菌も自ずと絡んでくる。ということで、 消化を助け、保存性を高めるのに『発酵食』というのは、非常に有効的であるということです。

おせちの合間にお味噌をなめるだけでもいいです。それだけでも大きく違います。
はいむるぶしでは、そういった『発酵おせち』をお出ししております。
機会がございましたら、是非ご賞味ください。

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今月は『旨味』についてお話ししましょう。

『旨味』というものに対して、日本人は特有の能力を持っています。
三大旨味成分といえば。。
グルタミン酸(植物性)
イノシン酸(動物性)
グアニル酸(キノコ類)
の3つです。

東京帝国大学(現在の東京大学)教授だった池田菊苗によって、1908年にだし昆布の中からグルタミン酸が発見されたわけですが、 日本人はそのはるか昔から『旨味』を理解し、美学を持っていたと思います。 何故かというと、麹の分解から生まれた究極の『旨味』の調味料である醤油や味噌をずっと使っているから。
はるか昔の奈良時代から続くこの文化は、日本人の『食』を豊かにしてきました。

食材を塩漬けにして出た液体を総称して『醤』(ひしお)と呼びます。
魚醤(うおびしお)肉醤(ししびしお)草醤(くさびしお)穀醬(こくびしお)と別れてきますが、醤油や味噌は穀醬となりま
す。 麹との奇跡の出会いで、世紀の大発見であるこの穀醬を手にした日本人の食文化は素晴らしい発展を展開し、健康という意味でも開拓していきます。 何故??

それは穀醬が世界でも最もグルタミン酸値が高く、最も体に良い調味料だったからです。

人間が美味しいと感じるのは、
・絶対的なグルタミン酸のみ
・グルタミン酸とイノシン酸が合わさったもので、絶対にグルタミン酸が勝っている状態。
の2パターンです。

イノシン酸が勝ってしまうと、『臭み』となります。
お出汁で考えていただいても、昆布(グルタミン酸)のみの出汁は存在しても、鰹節(イノシン酸)のみの出汁は存在しません。必ず昆布を当てていきますね。
日本人はこのグルタミン酸とイノシン酸のバランス感覚に世界でも最も優れた民族だと僕は思います。

世界一グルタミン酸値の高い調味料は醤油。でも残念ながら現代社会では、スーパー等で売られている醤油や味噌にはあまり期待できません・・・・
ならば作るしかない!
世界一グルタミン酸値の高い醤油を超えるグルタミン酸。
醤油よりも塩分濃度を下げ、出来上がった調味料『醤』(ひしお)をはいむるぶしで作り、毎日管理してます。
究極の調味料『醤』は発酵メニューにもふんだんに使われております。

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最後のコラムとなりますので、1年間を振り返ってみたいと思います。

去年の4月に初めて小浜島へと訪問いたしました。これまでの人生で沖縄とは全く縁がなかった僕としましては衝撃的でした。

『食材』です。
未知なる食材ばかりで、どう手をつけたらいいか迷いました。 元来Asupergillus oryzaeの存在しないこの土地で、『醤』や『三升漬け』が育つのか?
この気温で糠床がアルコール発酵しないだろうか?
そして何よりも沖縄の食材が、日本文化の微生物たちによって美味しくなるのか?
この不安がとても大きかったです。
微生物達に分解してもらい、酵素や補酵素、アミノ酸やコウジ酸、食物繊維やオリゴ糖、ビタミンB群やK2などなど(その他まだまだ)。。。が添加されるのは火を見るより明らか。微生物が分解してくれることにより、体に負担をかけづらくしてくれるのも明らか。

でも美味しくなかったら意味がないのです。
『体に良かろう不味かろう。』では全く意味がないのです。

日本の文化を良く知り、微生物たちの特性を理解し、地の食材と気候や風土を理解し、その土地ならではの発酵物を掘り起こす。

そして、『体に良かろう美味しかろう。』の食事を目指し、足りないものを食事以外の何かで補うのではなく、食事の中で完成させていく。日本の先人たちが行ってきた知恵と文化です。そこには、常に微生物たちと日本人の共生があった。
最初に沖縄の食材は発酵に向かないと、匙を投げかけましたが、発酵文化が現代でも根強く残っている東北の方達にあやかって、良く考えました。東北の方達の『生きる』とは何なのか。
出た答えは、
それがはいむるぶしが掲げている『ぬちぐすい』なんだと。思いました。

プロの料理人にも調味料というものを、今一度見つめなおしてもらいたい。という思いからも、僕は漬け床や調味料、微生物の性質のお話だけにとどめ、あとはプロのキッチンスタッフに委ねました。いろんなお話をしながら。。
皆さんの努力の結果、完成した『お食事』は、お
客様も作り手も楽しい『お食事』となりました。ありがとうございます。 来年度はこの素晴らしい『人』も『食材』も発酵した商品を、別の形で提供できればと考えております。
1年間ご拝読ありがとうございました。
またどこかでお会いしましょう。

伏木 暢顕

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